ピアノと一緒に哲学する哲楽家:紀々ねぇさんのアシスタント、きな子です。
このところ駅ピアノ・空港ピアノ・街角ピアノの番組がふたたび注目されているとのことで、電波堂劇場オーナーとして感じていることを語ってもらいました。
それでは、はじまり・はじまり。
街角ピアノと電波堂劇場
=きな子=
「空港ピアノ・駅ピアノ・街角ピアノ」の番組の影響は、電波堂劇場にもあったのでしょうか?
そもそも、沖縄には空港ピアノ・街角ピアノはあるのですか?
=紀々=
はじめに番組がオンエアされた頃は、まだ沖縄にはありませんでした。
でも、空港ピアノの番組を見て、ネットで調べて電波堂劇場にピアノを弾きに来て下さる方が何人かいらっしゃいました。
「沖縄でも、街角ピアノを実現できないでしょうか?」という声も、いくつか。
実際にアプローチしてみましたが、クリアすべきハードルが意外と多くて、まだ街角ピアノは実現はできていません。
空港ピアノは、2月に那覇空港にもアップライトピアノが設置されました。
延長の話もあったようですが、コロナの波が来てしまい、たぶんそのままになってしまったのではと思います。
「駅ピアノ・空港ピアノ・街角ピアノ」の人気を哲学すると……
ピアノは孤独~仲間のいる楽しさと心強さ
=きな子=
あの番組のファンは、ピアノが好きな人が多いのでしょうか?
=紀々=
私もそう思ったのですが、意外にも、私の周りで関心を持った方々は「ピアノは弾けないけれど……」という人も多かったです。
定点カメラで地味な番組なのですが、ピアノがきっかけで生まれるほのぼのとした物語に「現代が忘れがちな懐かしい何か」を感じているような気がしました。
「夜中の再放送を3時間ぜんぶ見ちゃった!」という知人から、ランチの誘いもありました(笑)。
「紀々さんが話していたことって、こういうことなんだね!」と。
それまでに、電波堂劇場が目指すしたいことをいつも話していたので。
やっと伝わったみたいでした。
「街角」というキーワード
=きな子=
電波堂劇場とも共通するものがあるのですね。
=紀々=
はい。
電波堂劇場の空間を遺した祖父は、とあるキャッチコピーをつくっていました。
「街かどに、音楽をあふれさせよう!」
まさに、という感じですよね。
番組を見て集まって来てくれるピアノ好きさんたちも、共感してくれてとても心強いです。
やっぱり「ピアノが呼んでくれているんだなぁ」と感じます。
電波堂劇場のグランドピアノについては、こちらもどうぞ。
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ピアノはときどき孤独だから
=きな子=
駅ピアノ・空港ピアノ・街角ピアノを弾きに行く人は、家にはピアノをもっていない方が多いのでしょうか?
=紀々=
電波堂劇場に来てくれる方は、様々です。
音大ピアノ科出身の人もいますし、ふだんは電子ピアノで練習している方や、「一度、グランドピアノを弾いてみたいと憧れでした」という方も。
「ピアノサークルを探していたので、来ました!」
という方も、少しずつ増えてきました。
でも実は、私は、はじめ不思議に思っていたのです。
ピアノは一人で弾くものだし、ここには一台しかピアノはないのに……どうしてわざわざサークルという集まりが求められているのかな?
私の母校の大学にもピアノサークルはありましたが、私は入っていなかったので。
ピアノサークルがどんな感じなのかわからないまま、気がつけば、電波堂劇場のピアノ部の輪が広がっていました(笑)。
=きな子=
なぜピアノサークルが求められるのか、ナゾはとけましたか?
=紀々=
みんなの声から、少しずつわかってきました。(私なりに)
ひとつは、ピアノはときどき孤独だということです。
「難しいよね~」と誰かに共感してもらいたかったり、他の人が弾いている曲も興味があったり、あとは、他の人はどうやって練習しているのか知りたいということもあるようでした。
先生についている人ばかりではないので。
弾き合い会で「その曲の名前は何ですか? よかったら、楽譜見せてもらえませんか?」というやりとりも、よくあります。
私は、ほとんど人の曲を弾くことがないので、とっても新鮮でした!
ゆるいつながり~ピアノがつないでくれる縁
=きな子=
面白いですね。
ピアノ部に来る方は、どんな方ですか?
=紀々=
男女、年齢、出身地やピアノのキャリア、ジャンルも様々です。
音大ピアノ科出身の方やピアノの先生もいらっしゃいますし、ピアノのコンクールに出る子どもさん、60歳から憧れのピアノを始めた方も。
ピアノの集まりにしては男性も多いと驚かれます。(でも、私はそもそもピアノサークルを知らないので、よくわかりませんでした 笑)
多いのは、「子どもの頃にピアノをやっていて、大人になってから久しぶりに再開した方」です。
駅ピアノ・空港ピアノ・街角ピアノの番組きっかけで、また始めてみたいと思ったという方も何人かいらっしゃいますよ。
=きな子=
みなさん、一致団結している感じなのでしょうか?
=紀々=
和気あいあいとしていますが「一致団結!」ではないかな。
私は「ゆるい関係」を大切にしたいと思っています。
様々な事情や歴史をもった人が、ピアノきっかけで集まっているので、無理に「同じ・ひとつ」にならなくてもいいし、それが自然ではないかと。
少しずつ知っていく、ということで良いと思っています。
「ピアノ科を卒業したことを伏せていたい」というケースも多いですし、「ピアノ講師であるとわかると、弾きにくいから……ここでは、いち参加者として思いきり自由に楽しみたい」という気持ちもよ~くわかります。
だから、そんなに詳しい個人情報は知りません。
少しずつ、ご本人から話して頂くことはありますが、それを私はなるべく他の方にはお伝えしないようにしています。
このあたりは、守秘義務のある現場に長くいたことが役立っているかも(笑)。
少しずつ友だちになる、という『星の王子さま』のキツネとの場面を思っています。
ゆっくり話したい方は、ピアノ部ではなく、個人でピアノを弾きに来てくれることもありますよ。
「ホッとできるピアノ時間」
それは、ごくゆるやかに、そして長くつづことが大事ではと思っています。
「第三の場」と第三のピアノ~これからの時代に必要なもの
=きな子=
「ピアノを弾く」というだけにとどまらない何かを感じますね。
ピアノと人生はつながっているような……。
=紀々=
本当にそうです。
ピアノは、4~5歳くらいから始めた方も多く、その人の人生の山アリ谷アリに深くかかわっていることも多いもの。
私自身もそうなので、よくわかります。
なので、ピアノを語る時にはその方の人生も聞かせてもらっているのです。
そうして電波堂劇場でたくさんのピアノ好きさんにお会いする中で、音色からもその方の「今」が感じ取れるようになりました。
「占い師みたい!」
と言われるようになったのも、このあたりから(笑)。
「ピアノのある第三の場」。
これがキーワードではと感じています。
「私」という個人になって、自分と向き合える場。
ピアニストも「自分のためだけに弾く」ピアノ。
上手かどうかよりも「楽しく」を第一に。
そういうピアノが、人生を豊かにしてくれると思うのです。
=きな子=
「あなたが飲み屋をやったらゼッタイ流行る!」と言われ続けてきた紀々ねぇさんらしい形ですね。
電波堂劇場の新しいスタートが、あらためて楽しみです。
最後に、電波堂劇場の近況について。
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過去と他人は変えられないけれど、アシタ(明日)とアタシ(私)は変えられる。
あした、転機になぁれ!
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一点ずつの作品のため掲載が追いついていないのですが、はり切って準備中です。
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