紀々ねぇさんのアシスタント、きな子です。
電波堂劇場はお休み中の紀々ねぇさんが日々取り組んでいるのは……
コロナのお蔭で、できること。
今やらなければ、きっとずっと先延ばしなこと。
これをやらずに人生終わったら、ちょっと後悔すること。
今日は、その一つ「ド・Do・ど」と呼ばれる、知る人ぞ知る「紀々ねぇさんならではのお客さまとの連弾」シリーズのご紹介を。
それでは、はじまり・はじまり。
あの人気の連弾コーナーが生まれた背景~「もしもピアノが弾けたなら……」を叶えたい!
=きな子=
15年来、紀々ねぇさんのライブや講演・研修会で人気のコーナー(ネタ?)があります。
お客さま、しかも「ピアノを弾いたことのない方・弾けないと自負している方」限定の連弾コーナー!
「この中に、ピアノが弾ける方はいらっしゃいますか?」
そう聞くと、ほとんど手があがりません。
「では、ピアノが弾けたらいいのになぁと思ったことがある方は?」
すると……たくさんの手が。
そんな方々に、舞台に上がって頂くのです。
さて、何を弾くのでしょうか?
=紀々=
まったく初めての方なので、指一本で!
「ド」の音だけを同じリズムで弾いてもらいます。
その他の伴奏は、私がすべて引き受けます。
曲は、「ド」だけでサマになるものを私がつくりました。
お客さまは途中から早くなる方もいたり様々なので、私は、どんな状況になっても絶対について行く!というプロ根性で弾きます。
途中で私がとちったり止まったりしたら、お客さまが責任を感じてしまうかもしれないでしょ?
だから、何が何でも、どんなにハイスピードになっても弾ききる!
必ず、客席からは本気の拍手が生まれるように。
そう心に誓っています。
大切なことは「ピアノを弾けた!」という愉しい達成感を味わってもらうこと。
ピアニストと同じ景色を見てもらうことで、ピアノに親しみを感じてもらえたらと。
そして、舞台の上を知ると、これからの舞台は何倍も楽しめるはずなので。
だから私は、舞台を見てもらうよりも「舞台に立ってもらいたい」といつも思っていました。
私は14歳から舞台に立ってきて、舞台裏や舞台袖が一番好き。
そんな大好きな現場にみなさんをご案内したいという、おせっかい魂です(笑)。
=きな子=
まずは、動画で解説をご覧下さい。
紀々ねぇさんの一人バージョンなのですが、是非、ピアノのある方は一緒に合わせて弾いてみて下さい。
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ピアノが弾けない人との連弾が、一番人気の理由
電波堂劇場でジャグリングのワークショップを開催して下さった「たまんちゅ。」さんも体験下さったので、こちらの動画もご紹介させて下さい。
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今日は皆さんご存知の「ララララ♪りうぼうへ行こう♪」の作者の紀々さんと出会えました。
— たまんちゅ。 (@tamanchu_hiroto) June 20, 2018
紀々さんの特技「演奏できない人にも出来る演奏」を体験させて頂きました、「ド・DO・ど」です!
こんな簡単に楽しくなれる音楽の力って凄いなって思いました。
素敵な出会いに感謝(๑˃̵ᴗ˂̵) pic.twitter.com/ZrtlFx8pF9
みなさん、はじめは緊張しているようですが、そのぶん終わったら本当に良い表情ですよね!
他のお客さまもとっても良い表情で……幸せな気持ちになります。
=紀々=
「他人事とは思えない」そうです。
だから、みんなが応援してくれているドキドキ感とあたたかさがあります。
声優の神谷明さんがライブに来て下さったのですが、終了後に……
あの「ド・Do・ど」が一番いいね!
とおっしゃって下さいました。
「あの時の、出てきてくれたお客さんの表情が!」と。
そうなんです。
あれは、私が作ろうと思って作れるものではなく「自然に生まれるもの」なので、一番伝わるのではと感じます。
ピアノって楽しい。
それが一番伝わる形は、私が弾くよりも、弾いたことのない方に一緒に弾いてもらう形でした。
指一本で、誰でもピアノが弾ける!
=きな子=
連弾は、誰でも挑戦できるのですか?
=紀々=
はい。
年齢でいうと、保育園からOKでした。
あまりに希望が多かったので、何人まで一緒に弾けるかな? と実験してみたのですが、3人+私(つまり4人)まで弾けました!
イスが入らないので、みんなスタンディング。
私は、あいたスペースで出来ることを精一杯考えて弾いて……愉しかったです。
ホールでの打ち合わせ後には、音響・照明スタッフさんからも「僕たちも弾いてみたい!」とリクエストがあり、みんなで弾く姿も。
音楽の授業で残った心のキズ
=きな子=
この試みが生まれたきっかけは、お客さまとの対話だったとか。
=紀々=
はい。
自分が音楽の才能がない・ピアノが下手だと思うようになってしまった方々のお話を聞いていると、共通点がありました。
音楽の成績が悪かったから。
校長先生になった方でも、ですよ!
校長会での研修では、校長先生にも弾いて頂きました。
音楽の授業は、クラシックがベース。
音楽にはもっともっと広いジャンルがあるのに、その中のたった一つの、しかもたった一人の先生の判断だけなのに……。
そう思うと、心が苦しくなりました。
クラシックの先生だって、ジャズのセンスがない人はいたはず。
リズムが苦手なプロのクラシック演奏家の方にも、何人もお会いしました。
私は、楽譜が上手に書けずにみんなの前でコテンパンに言われた経験があり、それを去年まで引きずっていました。
子どもの学校の世界は狭いので、インパクトが大きいんだなぁとあらためて思いました。
だから、「下手も上手もない、ただただ愉しく幸せなピアノの世界」をつくりたかったのです。
人生の中から「苦手」がひとつ消えるということが、こんなにもハッピーなんだ!
みなさんから教えて頂きました。
スタートは「ねこふんじゃった」
=きな子=
この連弾が生まれるきっかけのひとつが「ねこふんじゃった」だと聞きました。
=紀々=
はい、そうです。
「ねこふんじゃったしか弾けません」と謙遜される方がとても多かったので、「ねこふんじゃった」を研究してみたいと。
みんなが弾ける曲、というのが大事だと感じたので、もっとハードルを下げてみようと……「曲でもない音=ド」にたどりつきました。
車でも、運転席と助手席は似ているようでまったく違うでしょ?
ピアノもそうで、グランドピアノを客席から見るのと、近くで見るのと、そして演奏者の席に座って見るのとでは、まったく風景が違うのです。
35年もピアノと一緒にいると、そのことを忘れてしまっていたと気づきました。
とあるライブで「もしピアノを近くで見たい方はどうぞ!」と呼び掛けてみたことがあって……思った以上にピアノのところに集まって下さって。
「やっぱりみなさん、ピアノに興味を持ってくれているんだ!」と大発見でした。
これからの紀々ねぇさんの「ピアノ実験」
=きな子=
これから、紀々ねぇさんが考えていることは?
=紀々=
しばらくはライブやピアノカフェも難しいと思います。
なので、以前からリクエストのあった「ド・Do・ど」シリーズの楽譜づくりに取り組みたいと考え中です。
ピアノの先生と生徒さんや、ピアノを習っている子どもさんがお母さんやおじいちゃんなどみんなの伴奏をしたり、お友だち同士やちょっとしたサプライズなど……ピアノに親しんでもらう愉しいプログラムになったらうれしいな、と思っています。
=きな子=
広がるといいですね!
まずは楽譜、頑張って下さい。
これを読んで下さっている方で、弾いてみたいと思われた方は是非……紀々ねぇさんに伝えてあげて下さい。
きっと楽譜づくりの原動力になるはずです!
過去と他人は変えられないけれど、アシタ(明日)とアタシ(私)は変えられる。
あした、転機になぁれ!
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