コロナ禍でなかなか開けられずにいた電波堂劇場は、新しいスタイルでの再開を目指して動き出しました。
決まり次第ブログでお知らせします。
ピアノ好きさんとの元気な再会を願って。

なかったかもしれない電波堂劇場を救って下さった方々
2016年、私は電波堂劇場をあきらめる決意をしていました。
もともと「クーラーが持つ間はどうにか頑張る」と決めていたので、仕方ないと思っていました。
「あの人」に出会うまでは……。
じっくり解説はまたあらためてさせて頂くとして、まずはキーパーソンご紹介編をお届けいたします!
西平士朗さん(スタジオパフォ主宰)
一人目は、スタジオパフォ主宰の西平士朗さん。
川向かいのカフェの窓から「studio紀々」の看板を見つけて、「ミュージカルの稽古場を探しています!」と、ある日、飛び込んで来てくれました。
それまではピアノが中心だった電波堂劇場で、演劇・ダンスといった新しい世界への扉を開いてくれたキーパーソンです。
仲村渠悠子さん(ピアニスト/電波堂劇場ピアノ部 部長)
もう一人は、ピアニストの仲村渠悠子さん(電波堂劇場ピアノ部 部長)。
国際通りにあるショッピングモールのエスカレーターで、バッグで私だと気づき「はじめまして、私、仲村渠悠子と申します!」と声をかけてくれました。

留学先のドイツでサイトを見つけてくれてバッグを気にかけてくれていたという、なんともドラマのような出会いでした。
私が何年もあたためていた「ピアノ部」の構想。
「私よりもピアノが大好きな人に出会えた時に、部長になってもらおう!」と決めていたのですが、あきらめかけた時に出会えた運命の人。
悠子さんを部長に迎え、電波堂劇場ピアノ部が生まれました。
リメイク応援団:安里安行さん(知花インテリア)
そして、もうお一人欠かせない応援団が、みなさんを迎えてくれる虹の階段とカーテン、そして人気の撮影スポットの龍の紅型をセッティングはじめ様々なリメイクを手掛けて下さった……

この3人のキーパーソンと一緒にスタートして、電波堂劇場は「あきらめない!」チャレンジに向けて動き出しました。
電波堂劇場の立て直しのために必要なのは、「お金」ではありませんでした。
業務用のクーラーはやっぱり高くて、見積り書を手にため息をついていたある日、ふと浮かんだ問いかけがありました。
「あなたに必要なのは、お金なの?」
そりゃお金に決まってるじゃない!!
そう思った瞬間、しっくりこない自分に気がつきました。
「お金じゃないとしたら……何?」
補助金などの公的資金の活用をすすめてくれる方も多く、中にはとても大きな額のお話もありました。
でもなぜか、心が動かなかったのです。(自分でもビックリ)
そして「ちがうなぁ……」という感覚と向き合う日々の中、気がつきました。
「そうだ、私には……顔の見えるお金が必要なんだ!!」
お金をくれる人・審査する担当者ではなく、「この空間を本当に必要としてくれる・愛してくれる人」が必要。
そっか……私に必要なのは「愛」だ!!!!
なんだか舞台のセリフのようになってしまいましたが、そういうことでした。
そして始めることにしたのが、「応援カンパ」という極めて原始的な資金づくり。
「もしもこれで予算が足りなかったら、それは必要とされていないということ。その現実を受け止めて、決断する」
不安というよりは、どこかスッキリした気持ちで新しいブログを立ち上げたのでした。

友だちがいなくなってもいい、という決意
そこからは、日々クーラーのことばかり考えていました。
人生の中で、こんなにクーラーのことを考えたことはありませんでした(笑)。
夏が来るまでに、間に合うかな?
間に合いますように!
2台のうち残った1台(でもこちらもレトロ)を、祈るような気持ちで見上げていました。
「紀々さん、たまには食事でも行かない? ご馳走するよ!」と声をかけてもらった時には、失礼覚悟でこうお返事をしていました。
もしも私を応援して頂けるなら、食事ではなくカンパを頂けませんか?
飲み会の時間もお金も、すべては電波堂劇場を守るために集中。
あぁ、なんという無礼者でしょう!
でも当時の私は、とにかく必死だったので「友だちを失う覚悟」で電波堂劇場を守るために動いていました。
すると。
「それは知りませんでした。今度、カンパさせて下さい!」と言って下さる方が一人また一人と増えて、県外からも、電波堂劇場に想い出をもつ方々がカンパを振り込んで下さったりと……友だちを失うどころか、輪が広がっていきました。

世の中捨てたもんじゃない。
そう実感する日々に、本当に励まされました。
「クーラー、待ってろよ~!!」
動かなくなってしまった古いクーラーにも、前向きに声をかけられるようになっていました。
クーラー、つきました!~世界一幸せなクーラー
ピアノを弾きに来て下さった方々、ブログを見て下さった方々が「少しですがクーラー代に」とカンパして下さり、大家さんのお力添えも加わって、とうとう電波堂劇場に新しいクーラーがやってきました!
スタジオパフォのみなさんと、「クーラーようこそ!!」記念の写真です。

階段を上って来てくれたピアノ好きな女の子が、入ってくるなり「箱はどこですか?」とカンパのお金を差し出してくれたこと。
「僕はね、本当はこんなピアノのある喫茶店をやるのが夢で。だから、こういう場所をつくってくれてありがとう!」と2人分の参加費を入れて下さったピアノ好きのOさん。
そして「沖縄に行くので、セミナーを開催して集まった参加費を電波堂劇場にカンパさせて下さい」と申し出て下さった方々。(あらためてご紹介記事を書かせて下さい)
とにかく、本当にたくさんの方に応援と愛情を頂きました。
会場を使ってくれるみなさんも、そんなクーラーのお話を知っているので、大切に使ってくれていて、「電波堂劇場のクーラーは、世界一幸せなクーラーだ!」と私は思っています。
本当に本当に、ありがとうございます。
日々是ミラクル~電波堂劇場とピアノの気持ち
こうして、あきらめる寸前だった電波堂劇場は立ち直り、盛り上がっていきました。(これもまた、少しずつ足あと綴ってまいります)
この原始的なクラウドファンディングを通して、私は、自分が「何があれば頑張れるのか」を知ることが出来ました。
「必要としてくれる人の顔が見えること」、それが「心強さ」になる。
お金の前に、そのために動き出すエネルギーが必要なのでした。(あくまでも、私の場合ですが)
一度あきらめた経験がきっかけで、電波堂劇場での日々は「毎日がミラクル」と思えるようになりました。
今あることが、ミラクル。
今日、ピアノが弾けることがミラクル。
実は、毎日がミラクルなんだよ~。「日々是ミラクル」!
ホールの神さまとピアノが教えてくれました。
小劇場としての運営が難しくなった状況で、これからどう進んでいくか?
まだ答えは出ていませんが、どうにか残していきたいと思っています。
「この場所を必要としてくれる方々」にお力を頂いて、一緒に愉しく作れる形を考えていきますので、よろしければご一緒頂けたら心強いです。
「電波堂劇場はパワースポットです。あ、紀々さんがパワースポットなんだ!」
そう言ってもらえるようになったので、電波堂劇場は、どこに・どんな形になっても「日々是ミラクル!」でいられると信じることにしました。
45歳の本気の転身……またお会いできる日を、ピアノと一緒に楽しみに願いつつ、新しいスタートに向けて一歩ずつ進みます。
お会いできない間に「足あとをしっかり残すチャンス」として、ブログも書いていきます。
琉球古典・民謡のピアノアレンジ楽譜も。

今日も、立ち寄って下さりありがとうございます。
電波堂劇場から、心いっぱいの感謝を込めて!