電波堂劇場とピアノのこと PR

舞台クラスターで「人生変えるしかない!」と決意した~那覇の小劇場オーナーの気持ち

小劇場オーナーの気持ち

こんにちは、コロナな時代に45歳からの生き方を考える日々の紀々ねぇさんです。

小劇場は衝撃場。

そんなギャグのような言葉が浮かんでしまいましたが、もちろん、大いに本気です。

新宿で起きた舞台クラスターのニュースは、いまだ再開できない電波堂劇場オーナーである、私の最後のスイッチをONにしました。

【お詫びとお知らせ】電波堂劇場は、もう少しお休みします。  紀々ねぇさんからの、お知らせです。  電波堂劇場は、6月いっぱいまでお休みいたします。(再開時期は未定です)  再開し皆...

決して、嘆きではありません。
コロナを恨んでもいません。

でも、もう「これまで」には戻れないとも思うのです。

☆ このブログが目指すこと

小劇場をあきらめると決めた、あの時。

こういう小さなホールが大事だから、がんばって!

今でこそ盛り上がっていると言われていた電波堂劇場ですが、2016年に復活する前は、本当に苦しい日々でした。

残してほしいと言ってくれる人はたくさんいましたが、

那覇の小さな劇場が、どうして減ってしまったのか?

それを一緒に本気で考えてくれる人は、いませんでした。

そのお蔭で私は、舞台に立つ演者の視点から「ハコを守る」という新しい視点を持ち、人生が変わりました。

音楽への愛情を持ちつつ、いつも冷静に「ハコを守ること」について見つめ続けてきたある日、ホールの真ん中で泣きました。

「もう私では劇場を守れません。ごめんなさい」

この時、私の中で「いつかお別れの日がくる覚悟」が生まれたのだと思います。

コロナ時代に、劇場というハコの難しさ

そして思いがけない展開があり(これはまた、あらためてしっかり書きます)、私は電波堂劇場の復活に向けて動き出し、ようやく盛り上がってきたところでの「コロナ」到来。

電波堂劇場は、どうする?

こんなに広い空間が、見えないくらい小さなウィルスによって封じられてしまいました。
「小さいものは強いよ」と言われていた本当の意味が、ここにきてやっと理解出来ました。

完全暗転(会場内を真っ暗にする演出)ができる会場の多くは、通気性はよくありません。
窓がほとんどない電波堂劇場も、その中のひとつ。

窓は、ライトのようにサッと買い足せるものでもなく、空気清浄機といっても、天井の高さが魅力のこれだけの広さのホールをまかなうのは無理です。

一応のガイドラインはあっても、状況は劇場によってそれぞれ。
ココが判断の難しさ・悩ましさでもあります。

もしもあの時……震えた事態

電波堂劇場は、もともとレトロな空間だったので、ある意味、覚悟はできていました。

これだけの立地だから、もっと投資をして大きなイベントも出来るようにしたら? 県外からもイベントを企画したい人はたくさんいるから!

これまでに、そんなアドバイスをいくつも届きましたが、私は、わたし自身とハコの身の丈に合ったサイズで進むことにしました。

今の事態になって、この選択でよかったとハッキリしました。
そして、「何が正しいのかは本当にわからないものだ」と痛感し震えました。

レトロな電波堂劇場の次の引っ越し先は、窓がたくさんある換気十分の会場です。
偶然ですが、コロナ前に決まっていました。
もしも地下の会場を選んでいたら、またまた人生は大きく変わっていたと思います。

無理せず・恨まず・前を向いて

電波堂劇場のラストイヤーは、みんなで盛り上げていけたらと思っていましたが、それが、盛り上げるどころか完全ストップになる事態。
私もピアノもビックリです。

でも、「ピアノもアートも、元気であってこそ」というMyルールで行くことを決めました。

音楽は、お腹を満たせないから。

十代の頃に演奏旅行に行ったインドでの経験から、この現実を自覚しながらここまできた私は、かなり変わっていると思います。

運命を変えた文章
運命を変えた1本~1993年のエッセイどんな人にも「あの時が転機だった」と思うポイントがあると思います。 私の場合、高校3年の時に書いた1本のエッセイが、それです。 ...

今回は、この覚悟が支えになりました。

発想力で小劇場を残したい!【転の力】

まずは、私自身が元気でいることが大事。
私がつぶれてしまってはいけないから。

発想を変えて(転の力)、前を向くことにしました。

出来たことが出来なくなってしまった。

あの時に出来たことが、奇跡だった!

舞台があるということが、どんなにありがたく貴重なことだったかを思っています。
あの日常が「あたり前」ではなかったのだと、しみじみ。

寂しさはありますが、恨みと凹みはありません。(あ、凹みはちょっとあります 笑)。

まずは、あの時に感謝しよう!

コロナな時代に合わせて発想も切り替えて、新しいスタートに向かいたいと思います。
なので、すぐに再開することはできないと思いますが、応援して頂けたら心強いです。

今はまだ、何をどう応援してもらったらいいのかも見えないのですが、その時がきたらドドーンとお願いさせて下さい。

小さな空間のもつ大きな魅力と可能性を信じる気持ちは、今も変わりません。
そして、電波堂劇場の復活に力を下さった応援団のみなさんにも、あらためて感謝の気持ちでいっぱいです。

新しい空間にお迎えできる日に向けて、シャキッと前向いてまいります!

みなさんも、引き続きどうぞお元気でお過ごし下さい。

コロナな今を乗り切るヒント集『かがみ屋へ、ようこそ。』