withコロナ・afterコロナの生き方を哲学する哲楽家:紀々ねぇさんのアシスタント、きな子です。
先日、レザーカービングのバッグをご購入下さった方がいたそうです。
その方とのやりとりから見えてきたのは「意外な方が買って下さっている」ということだとか。
その出来事をきっかけに、音大ピアノ科を卒業した方々の悩みの根っこも見えてきました。
「お金にならなければ、意味がない」
その発想についての哲学レポートをお届けします。
それでは、はじまり・はじまり。
経験者だからこそ、わかること
=きな子=
このところ、紀々ねぇさんは「豊かさ」について考えることが多くなったそうですが、きっかけがあったのでしょうか?
=紀々=
「紀々の店」の職人さんのカービングのお財布を購入して下さる方が、意外な方だったことです。
「昔、レザーカービングをやっていた方」でした。
=きな子=
ということは、ご自身も経験者ということですか?
=紀々=
そうです。
実は、これまでも同じケースがいくつかありました。
「どうして自分で作らないのかな?」
ぼんやりと不思議に思っていたのですが、今回、母とも話をしてじっくり哲学してみました。
そして母の解釈は……
経験者だからこそ「見る目」と「憧れ」があるんじゃないかな。
作ってみたいけれど、まだ技術が追いつかない場合は「持ってみたい!」と思うのでは……その気持ちは、とてもわかる!
実際に、自分たちも先生の作品を購入したこともあるから。
というものでした。
「習ってきた人」の辛さと苦しさ
これを聞いて、ハッとしました。
「なぜ習うのか?」
その視点がちがっていたのだと。
そして、ある言葉が浮かびました。
「それでお金になるの?」
実は、これはピアノ好きさんを苦しめる言葉のひとつ。
=きな子=
なんだか急にこちらまで苦しくなる言葉です。
でも、ピアノに限らず「好きなこと」の話が出たときに、たびたび登場しますね。
私も言われて凹んだことがあります。
=紀々=
「音大のピアノ科を卒業したのですが、どうか秘密にしていて下さい」
電波堂劇場にピアノを弾きに来て下さる方々の中に、そう打ち明けられることが何度もあり、不思議でした。
ピアノ科の受験をあきらめた経験を持つ私には、なぜ秘密にしたいのかがわからなかったのです。
ただ、わからないまま秘密を守ってきました。(これは、カウンセラーのプロの技! 笑)
=きな子=
紀々ねぇさんが、電波堂劇場のピアノサークル「ピアノ部」で、決して一致団結の強い雰囲気にせず「ゆるやかなつながり」を大事にしている理由も、ここにあるのですね。
※ こちらのブログにも少し書かれています。
▼
=紀々=
電波堂劇場には、県内外からピアノコンクールに出場される・受賞した方々がピアノの練習に来てくれます。
子どもさんでも、全国大会で入賞して「沖縄旅行に来ている間も、1日1回は練習したいので」と来て下さる方々も。
帰ったら本番ということで、ビックリするような難曲を猛練習!
私も6歳から電子オルガン・10歳からピアノを習ってきましたが、まったく知らなかった厳しい世界があるのだと、本当に驚きと感激です。
ピアノ科は、学校が成り立つほどたくさんの学生さんがいます。
その人たちがみんなプロになるなんてあり得ないのに、「稼げるか・稼げないか」だけの基準って、どうかしていますよ。
ここが、不幸の根っこのひとつではと思うようになりました。
「触れたことがある」という豊かさのタネ
=きな子=
たしかに、そうですね。
音大ピアノ科を卒業したことが不幸の原因になってしまうなんて、あまりにもったいない。
聞いているだけでも辛いです。
=紀々=
「音大ピアノ科卒業という学歴を消したい」という声もありました。
あ、少し話がそれましたが。
さっきのレザーカービングを習っていた方々のことですが。
「バッグを売る」ではなく「バッグを買う」という選択は、習った意味がないことでしょうか? 不幸ですか?
=きな子=
不幸とまではいかなくても、「もったいない」気はしました。
=紀々=
ちょっと経験したからこそ、その技術の難しさ・奥深さ・先生のバッグのすばらしさがわかる。
それは、経験していない人には実感としては湧かない貴重なものです。
私も、カービングができませんが、母やほかの職人さんの背中を見て育ったので、その苦労や「どこが難しく貴重なのか」はわかるようになりました。
そうすると、レザークラフトだけでなく、色んなモノづくりの職人さんからも「あなたはわかってるね~!」と受け入れて頂けるようになり、様々なジャンルのお話を聞かせてもらい、また知識や世界も広がってきました。
私自身がずっと舞台に立ってきたので、電波堂劇場や他の現場でも、舞台に立つ方々の気持ちがわかります。
「紀々さんの顔を見ると安心する」と言ってもらえるのも、師匠の舞台を裏で支えてきた経験が役立っている、と感じます。
=きな子=
わからなくても、伝わっているのですね!
=紀々=
だから、「弾かなければ意味がない」なんて思わないの。
ピアノを少し習った経験があれば、プロが演奏する曲のどこが・どのくらい難しいかもわかるでしょう?
そうすると、コンサートを観た時の感激が何倍にもなります!
たとえ大ホールのうしろの席からだったとしても、鍵盤の動きや楽譜だってイメージできるはず。
つまり、人生の色んな場面が「VIP席」になるということ!
「人生が豊かになる」って、そういうことだと思うのです。
=きな子=
だから、紀々ねぇさんは「まったくピアノがはじめての方々にもピアノに触れてもらうコーナー」を大切にしているのですね!
「人生を豊かに!」~紀々ねぇさんの新しいキーワード
=紀々=
「ここに来ると、豊かな気持ちになります」
ある時から、電波堂劇場に来てくれる方々に言ってもらうようになりました。
そして、レザーカービングのお財布やバッグを受け取って下さった方々からも……
「丁寧なプロの技を見るたびに、豊かな気持ちになり、元気が出ます」といった声を頂いています。
「人生を豊かに」
新しいキーワードを頂きました。
「上手になる」よりも「幸せになる」を応援したいから
=きな子=
技術の世界だと、つい「上手か下手か」で考えてしまいがちですが、そうではないのですね。
それだと豊かさの反対に進んでしまいそう……。
=紀々=
だから、私は「上手になる」よりも「幸せになる」を応援する! と決めました。
十分に上手なのに、不幸になってしまっている人をたくさん見てきたから。
上達する幸せも、もちろんあります。
でも、幸せはもっともっとたくさんある。
そこを「意味がない」と切り捨ててしまっては、あまりにもったいない!
だから、ピアノと一緒に「豊かな人生」の応援団を目指すことにしました。
コロナな事態を受けて、そして電波堂劇場の引っ越しに向けて……新しいカタチを全力で模索中です。
私は、手先は器用な方ですが、生き方はかなり不器用。
なので、いったん立ち止まって「サナギ期」を経て再開したいと思っています。
もう少し、お待ち下さいね。
応援して頂けたら、本当に心強いです。
▼
☆ 電波堂劇場の今とこれからのこと
=きな子=
「サナギ期」が明けた後の紀々ねぇさんが、楽しみです。
みなさん、どうか応援よろしくお願いします!
過去と他人は変えられないけれど、アシタ(明日)とアタシ(私)は変えられる。
あした、転機になぁれ!
紀々ねぇさん情報
哲学してアートにする!
▼
☆ 紀々ねぇさんのオンラインショップ
レザーカービング&レザークラフトから哲学するメッセージお届け中!
▼
☆ 紀々のインスタグラム
お問い合わせは、こちらへ。
▼
24時間365日開いている無料でアートなオンラインカウンセリング室~初めての方は、こちらもどうぞ。
▼
自分の中にある答えを探しに行こう!
『かがみ屋へ、ようこそ。』(PDF版)、無料公開中。
▼
紀々ねぇさんの様々な発信、一覧はこちら!
▼
紀々ねぇさんの発信いろいろ一覧
自分とゆっくり向き合うマインドフルネス時間のBGMに♪
▼
琉球・沖縄の音楽をピアノにアレンジ【BGM編】
https://piano.kikism.net/story-ryubo-song/