紀々ねぇさんの亡き祖父が建てた、ナゾいっぱいの沖縄のソニー坊やをご紹介します。 今回は「うるま市安慶名」のソニー坊やの……ペンキ塗り大作戦レポートです!!
☆まったく初めての方は、まずはこちらのインタビュー記事をご覧下さい。

安慶名坊やは「気になる坊や」でした。
草刈りしてあげてほしいなぁ。
ネット上でも、また「ソニー坊やと仲間たち」からも、そんな「気になるソニー坊や」として声が上がっていたのが安慶名坊や。
安慶名闘牛場のレリーフ横にたたずんでいます。
草が茂っていて顔にかかり、鼻も欠けてしまっていて……「かわいそうです~!」との声が寄せられて、私自身も気になっていました。 MAPを作って下さった湊和雄さん&お仲間のみなさんが、2004年にペンキを塗り替えて下さった坊やです。
☆ レポートは、こちらを。
FBページに、昔の安慶名のソニー坊やの写真を頂きました。
たぶん、湊さんたちがペンキを塗って下さった頃だと思います。
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坊やはピカピカで、闘牛場のレリーフはかなりペンキが薄くなっています。
「具志川市役所」と書かれているので、うるま市になる前だと思われます。
2018年の4月、私たちが到着した時は、こんな状況でした。
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闘牛場のレリーフは塗り直されたと思われます。
坊やは……ずいぶん茂みに隠れがちになってしまっていました。
おまけ。
マンホールも闘牛でした!
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いよいよペンキ塗り替え大作戦~ 須藤さんの願いを叶えたい!
実は、私が安慶名のソニー坊やのペンキ塗り替えに向けて動くことにした理由は、もう一つありました。
「ソニー坊やと仲間たち」メンバーで、以前から坊やをずっと気にかけてくれていた須藤健太さんの願いを叶えたかったから。
私が須藤さんにご連絡した最初のきっかけは、須藤さんが書いてくれていたブログ記事でした。
ソニー坊やの追っかけをしてくれていた吉澤直美さんが、教えてくれました。
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2013年03月16日
宜野湾ソニー坊や(48歳)をきれいに塗り直そうじゃないかの会
ある日の衝撃と感激の展開~野嵩の坊やが美白に!
2016年12月のことでした。
宜野湾市野嵩のソニー坊やのペンキ塗り替えのために、敷地の持ち主であるタクシー会社とコンタクトを取らなくちゃと思い何人かの知人につてがないか連絡をとっていたものの、なかなかつながらず、進められずにいた矢先……衝撃の知らせが飛び込んできました。
野嵩のソニー坊やが、ペンキ塗り替えられています!
しかも超・色白です!!
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てっきりタクシー会社の方々が塗り替えて下さったのだと思っていましたが、後に、ケーブルテレビの取材班が熱心に調べて下さり意外な事実が。
塗り替えて下さったのは沖縄市在住の男性で、なんと通って作業をして下さったそうです。 「コザの山形屋前にもソニー坊やがいて、子どもの頃に抱き着いていた思い出もあったから」と、ボランティアで塗り替えて下さったとのことでした。
ここでもまた、驚きと感激でした。
急がなきゃ!~うるま市安慶名坊やペンキ塗り
でも、感激にひたっている時間はありません!
ペンキ塗り替えができる坊やは、あと一人。
そうです、うるま市安慶名坊や!!!
私にとっては、まだ会ったことのない、一番、情報も馴染みも少ない坊やでした。
もしかすると、最悪の場合は撤去されてしまうこともあるかもしれません。
どこに問い合わせたらいいの?
ここの敷地は誰のもの?
野嵩坊や以上に「わからないこと」だらけで、つながりもなかなか見つかりませんでした。
でも、急がなくっちゃ!
梅雨に入る前に。
夏が来て暑くなる前に。
とにかく問い合わせ~「窓口」を探せ!
こういう時は、とにかく「孫」というカギが、扉を開くには役立ちます。
遅まきながらの参加である私で貢献できるのは、ココ!
その一心で、連絡先を調べ始めました。
ソニー坊やの古い写真にあった「具志川市役所」をたよりに、まずは役所に連絡をと思ったものの、今は「うるま市」になってしまっています。
組織が大きくなっているので「役所のどこに連絡するべきか」がわかりませんでした
そうだ、闘牛場のレリーフがあった!
安慶名の闘牛場に電話してみたらいいのかな?
そして、安慶名の自治会の連絡先も調べました
こうなったら、みんな電話してみよう!!
とにかく電話!~「ソニー坊やを知りませんか?」
まずはうるま市役所へ。
どこからどう話すのが一番いいのかな?
なるべく怪しくなく・わかりやすく・手身近に……を心がけたことを覚えています。
(詳しくは覚えていません、スミマセン)
コミュニケーション講師として「電話で伝えるコミュニケーション」も専門分野だったキャリアが、思いがけず活かされました。
市役所の担当の方は、声の感じからは若い人のようでした。
「ソニー坊や、ですか?」
場所と事情をお話すると、どうやらその場でパソコンで調べてくれたらしく…… 「あ、ココですね。場所はわかりました! 確認して来ます。」
すぐに現場に行って下さったようで、早速、電話がありました。
「現場、確認できました!」
会ったこともない方々との素早い連携。
なんだか探偵になった気分でワクワク!
ご紹介頂いた自治会長さんにご連絡すると、土地の所有者の方へお話下さり、グッと前進しました。
受け入れて頂けたことに、ホッと一安心。
ところが……
ペンキ塗りって、どうするの???
私は、こんなに大きなオブジェ(?)のペンキ塗り替えなど経験がありません。
さて、何が必要なの?
ペンキって、何色を・どのくらい準備するべき?
下準備は? 脚立もいりますよね?
草刈りもしなくっちゃ!
急に「不安しかない」状況に。
これはもう「経験者」に教えて頂くのが一番。
お会いしたこともないのに、失礼承知で、本部町謝花のソニー坊やを守って下さっている大田さんにご相談させて頂くことにしました。

はじまりは……まるでコント
大田さんは、少なくとも電話の声の感じからは機嫌を損ねてはいないように思いました。 ペンキの色や量、鼻の補修と、そもそもの草刈りなど、私からの素人感いっぱいの質問づくりに、きっとあきれられたと思います。
一応はアドバイスを下さったのですが、あらためて電話を下さり……
「見て来ました。」
なんと、わざわざ行って下さったのでした。
「あれは草ではなくて竹なので、ちょっと大変だと思います。」
竹って、フツーの草刈りとは違うんですか?
竹は、どうやって刈ればいいのでしょうか?
見たこともない現場を想像しながら(といっても、ほぼ想像できるネタも経験もなく……)もはや私の質問はコントのような状況。
私のメモ帳には「竹を刈るには?」「鼻の補修について」など別世界の言葉が並び、自分でも笑ってしまいました。
「私も行きます。もともとペンキ屋だったので、ペンキも準備します。
多分、いえ間違いなくあきれた大田さんは、大きな大きな助け舟を出して下さることになったのでした。
最強のメンバーに恵まれたソニー坊や 須藤さんは、ファミリーで来てくれました。

大田さんも須藤さんも、それぞれ道具を準備して下さり、本当に心強いメンバーに恵まれて感激でした。 いちばん戦力にならないのは、私。(トホホ)
そんなことは電話の時点でわかって下さっていた大田さんは、笑って……「しっかり記録とっててね」 と言って下さいました。(ライター取材は私の専門分野!)
こうしてレポートできるのは、そのお蔭です。

※ 大田さん & 須藤さん
新聞社の方々も取材に来て下さいました。
2018年5月23日 沖縄タイムス
「ソニー坊や」の謎を追う 沖縄県内に現在5体、孫が情報求める
はじまりは、草刈り。
「これは普通の草刈り機じゃ無理だね~!」
須藤さんも草刈り機を持って来てくれたのですが「竹は別モノ」とのことで、家庭用のものでは無理と判明……ここは大田さんにみんなでついて行くことに。


長い竹は捨てられるサイズにカット・カット~!


大田さんアドバイス。
フェンスも外さないと作業できないね。

これ、ずい分と傷んでいるから……交換したほうが良いと思います。
ちょうど材料があるから、次に持ってきますよ。
まず、自治会長さんに確認してみて下さい。
思いがけずフェンスまで交換になりました!
それにしても大田さん、何から何までプロフェッショナル。
鼻の補修!~もう大丈夫だよ。
「鼻が……かわいそう!」 そうです。
安慶名のソニー坊やの「気がかりポイント」のひとつでした。

※ 鼻がペッタンコでした。
鼻の補修って、どうするのかな???
「考える」ことが仕事の私ですが、人生の中で、コンクリート像の鼻の補修は考えたことがありませんでした。
ところが、大田さんから…… 「鼻、つけるよ~!」と呼ばれて慌ててカメラをもって行ってみると、手に持っていたまぁるい白いものをペタッ!

▼ 手際よく形を整えて……完成!

ソニー坊やもうれしそうです。
あと1日で完成!
ずいぶんとスッキリ広々になりました。

こ~んなにスッキリ!
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「よかったね~!!!」
それにしても。 安慶名のソニー坊やのペンキ塗りは、思ったよりも大がかりでした。 大田さんも須藤さん一家も何度も通って下さり、本当に心強かったです。
土地の持ち主の方も、2日目から差し入れを持って来て下さいました。
年齢的にもなかなか草刈りが難しく悩んでいたとのことで、感謝されました。
実は、はじめは私たちは市の職員だと思われていたようです(笑)。
エピソード満載すぎて、もう、ソニー坊やにまつわる出来事は面白すぎます。
じゃ、また来るね。

うるま市安慶名のソニー坊やペンキ塗り大作戦!~いよいよ終盤
長い・永い・長すぎる…………
それにしても、ペンキを塗るまでにこんなに長い道のりがあるなんて……ビックリでした。
とても素人でできることではなく、大田さん・須藤さんに、本当に本当に感謝です!!
高圧洗浄もしてもらって、ペンキはあちこちはげてしまっているものの、スッキリした表情の坊や。

頭にひび割れがあったのですが、それも大田さんに補修してもらって準備OK!
さぁ、いよいよ……
ペンキ塗るよ~!



下地→ペンキ!
最終日、それはそれはピカピカの青空。
空もよろこんでくれているようでした!(勝手に解釈)
須藤さんご夫妻が、とてもうれしそうに塗ってくれていて、その光景に出合えてとっても幸せでした。


現代の「やさしいナゾ」
どうしてソニー坊やは、こんなにやさしい方々に出合えるのでしょうか?
落書きする人ではなく、ペンキを塗ってくれる人。
このご時世に、本当にふしぎです。
このナゾときは、私の担当。
ペンキ塗りや力仕事は戦力になれなかったけれど、ここは任せてね。
坊やに、そう約束してきました。
ソニー坊やの「ズボンの色」のナゾ
ズボンの色は、どうする?
ズボンの色は、2派あります。(派閥は対立はしていません 笑)
青と緑。
安慶名坊やは…… はじめは、緑。
塗り替えられた時に、青に。
そして今回は「緑」決定~!!
なぜでしょう?
本部町謝花のソニー坊やとお揃いだから。
そして、オリジナルは緑だったのです。

ソニー坊やファンの関心事あれこれ
ファンのみなさんの関心事は、ズボンの色だけではありません。
襟の色は?
ほっぺたは?
などなど、興味は尽きません。
今回のペンキ塗り替えで、ズボンの色が変わりました 。
ということは……また次回の時、誰かが「あ、その前は青だったんだ!」と歴史の片りんを見つけてくれるかもしれません。
そう思うと、ワクワクですね。
タイムカプセルを埋めるような気持ちになりました。
そしてペンキ塗りはつづくよ、どこまでも!
ひとまず、顔は一色になりました。
やっぱりうれしそうです!

鼻もしっかり!!!
よかったね。
髪も、ツヤツヤ!
そして「目」が入ります。
「目は、みんなで描こう!」
交代で、それぞれの思いを込めて。

ほっぺたは、オリジナルの人形に近づけるべく「ほんのりピンク」に決定。
まずは、印をつけます。
大田さんが作って下さったポンポンにピンクのペンキをつけて、メイクと同じ要領でトントンと……。

次は、口もとを……。

うん、やっぱり笑っています!
そして……ついにこの時がきました。
完成~!!!!!

大田さんのアイディアで、こちらも書きました。
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こうして、うるま市安慶名のソニー坊やのペンキ塗り替え大作戦は元気に幕を閉じました
。
大田さん、須藤さんご夫妻、自治会長さん、家主さん、取材に来て下さった新聞社の方々、そして、ここまで関わって下さったみなさんと、最後まで読んで下さったあなたに、心から……
本当にありがとうございます!!
どこかでソニー坊やを見つけたら、声をかけてあげて下さいね。
私は、引き続き「なぜ、こんなにも人はやさしいのか?」調査を進めます!




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