ピアノと離れた日々。
紀々ねぇさんはきのう、久しぶりに電波堂劇場に行ってピアノと少しゆっくり再会したそうです。
ピアノの調子はどうだったのでしょうか?
今日は、ピアノとの再会で紀々ねぇさんが考えたことをお届けします。
それでは、はじまり・はじまり。
心配だった電波堂劇場のグランドピアノの様子は?
=きな子=
この状況だったので、ピアノに会いに行けない日々……時々、夢に出てきてくれました。
とのこと。
でも、紀々ねぇさんは霊感などはないので、あしからず。
紀々ねぇさんが気にしていたのは、梅雨入りしたこと。
そう、このところ高くなっていた「湿度」です。
=紀々=
フタを開ける前に、思わずハグしちゃいました。
そして恐る恐る……スケールを弾いてみたの。
湿度の高さは、鍵盤を触った感じでも伝わっていたのでドキドキ。
=きな子=
それで、音色は?
=紀々=
なんと、とても落ち着いていてビックリ!!
うれしくてうれしくて、ついピアノをなでてしまいました。
ありがたかったです。
こんなに長い間ひとりぼっちにしてしまったのに、ちゃんと機嫌よくいてくれて。
2年くらい前、祖母の介護と看取りで祖母宅に泊まり込んで、4時間も眠れるかどうかという日々を送っていた半年間がありました。
その時もほぼピアノを弾けなかったのですが、スタジオパフォの西平士朗さんと電波堂劇場ピアノ部長の仲村渠悠子さんが、電波堂劇場に来てグランドピアノも守ってくれていました。
お蔭で、今の電波堂劇場とピアノの元気が保たれています。
本当に感謝しています。
ピアノも、とってもがんばってくれました。
あの時以来のピンチでしたが、今回も、またまたがんばってくれて……ちょっとね、涙が出そうになっちゃいました。
=きな子=
ピアノの話をする時の紀々ねぇさんは、初めての方にとっては「不思議ちゃん」に見えると思います。(私も、最初はそうでした 笑)
紀々ねぇさんの「不思議ちゃん」と、ピアノ好きさんへの伝染
どうやら、この「不思議ちゃん」は、ご本人も自覚している様子。
きっと「怪しい」と思う人もいるかもと、覚悟していると話していました。
ところがこの「不思議ちゃん」は、伝染するようです。
それぞれのご縁で電波堂劇場に来て下さるピアノ好きさんの多くは、ピアノを「一人の友だち」として思ってくれています。
「不思議ちゃん」ポイント、例えばこんな感じです。
- 「ピアノさん・電波堂さん」など、それぞれの呼び名でピアノに呼びかけてくれる。
- 来た時や帰る時に、にピアノにも挨拶をしてくれる。
- 何人かで話す時、ピアノも入れてなんとなく輪になっている。
- 子どものみなさんも、鍵盤をバンバン叩かない(大切な存在であることをわかってくれている)
- 友だちが髪を切ったことに気づくのと同じように、ピアノの小さな変化に気づいてくれる。
- 「だんだんピアノが心を開いてくれている気がする」と話してくれる。
- 写真を撮る時に、ピアノも背景にせず入れてくれる。(気にかけてくれる)
- 演奏だけでなく、ピアノそのものや調律にも関心を持ってくれるようになった。
この現象が生まれたのも、紀々ねぇさんが「不思議ちゃん」になってから。
「ピアノもとってもうれしそう」という表現の意味が、私もわかるようになりました。
ということは私も……仲間入りしてしまったということですね。
感染力は、新型コロナ以上かもしれません(笑)。
ピアノのコンディションと温度・湿度管理のこと
電波堂劇場に来て下さる方の中には、グランドピアノをお持ちのピアノの先生もいらっしゃいます。
ピアノを弾いた後、時々質問されることがあるそうです。
- 温度・湿度管理は何か特別にしているの?
- 調律はどのくらいの頻度でやっているの?
- どうしてこんなにコンディションが良いの?
ピアノは生きものなので、気温や湿度と一緒にピアノも変化するそうです。
ピアノのためにずっと部屋にクーラーをつけている、という話もあるそうで……みなさん、ピアノのコンディションを良くするために色々とされているとのこと。
それにしても、ピアノのためにずっとクーラーをつけるとは!
演奏だけでも難易度は高いのに、楽器の管理もかなりハードルが高いのですね。
=紀々=
それが、ピアノが特別だと思われている理由のひとつなのだと思います。
でもね、実は「湿度と温度管理バッチリの保管庫に入れておけば万全!」という単純なものでもないようです。
私も知らなかったのですが、調律師さんに色んなお話を聞かせてもらうようになって、ピアノのコンディションについて奥深さを知り驚いています。
向き合い方が変わると、ピアノのご機嫌も音色も変わるので、本当に楽しいですよ!
はじめは私の気のせいかなと思っていたのですが、電波堂劇場にピアノを弾きに来てくれるピアノ好きさんやピアニストの方々も気づいてくれるので、感激とドキドキです。
=きな子=
つまり、完璧な空調管理をした保管庫に入れておけば万全ということでもないということ!?
ますますナゾです……。
ピアノの音色をつくる「調律と温度・湿度管理」のほかに大事なこと
=紀々=
そうなんですよ。
実は、保管や調律のほかにもとっても大事なことがありました。
それは……「弾くこと」。
=きな子=
???
弾くと調律が狂うのかなと勝手にイメージしていました。
=紀々=
私も、そんなイメージありました。
どうやら「弾いてもらう」というのは、ピアノにとっては呼吸したり身体を動かすような感じのようです。
フェルトも刺激を受けて……調律師さんの解説を聞いていると「まるで筋肉みたいだなぁ」と思いました。
もちろん、弾き方の影響は受けます。
それはまた、別の機会にお話しますね。ココも奥が深~いので。
つまり「音程」だけがピアノの音色を作っているものではないということ。
ちょっと不揃いでも、なんだかピアノが喜んで鳴ってくれているというのはあって、それは不思議と聴く人に「心地よく届く」ようです。
「笑顔みたい」だと思います。
美人かどうかよりも「笑顔」の方が好感度を上げる、そんな感じ。
=きな子=
なるほど~。
だから電波堂劇場のピアノは「愛嬌がある・人なつっこい」と言われているのですね。
グランドピアノの中身を少しご紹介します!
紀々ねぇさんの大好きな時間のひとつです。
▼
=紀々=
ふつうは「色んな人に弾かれると、ピアノが荒れる」と言われているそうです。
だから、個人の家のピアノのように、特定の人だけが弾く状態の方がピアノにやさしい環境。
その点からすると、電波堂劇場のピアノは過酷な日々。
初心者からプロのピアニストまで技術も様々な人が、ジャンルも様々な演奏をする。
これは、ピアノにとっては本来は辛いことだそうです。
=きな子=
では、電波堂劇場のピアノはいつも耐え忍んでいるということですか?
紀々ねぇさんもそう思って調律師さんに聞いたそうです。(紀々ねぇさんは、調律師さんにまとわりついているらしいです。きっとお邪魔ですよ!)
すると……
「なぜか、この子は機嫌がいいんです。イヤイヤではなく、喜んでいるように思います」
そんな答えだったとのこと。
調律師さんにはとても不思議がられたそうですが「私には、電波堂劇場のピアノが喜んでいる理由がわかります」と話していました。
これもまた、長いお話になるので別の記事でお届けしますね。
紀々ねぇさんの想いと願い
=紀々=
電波堂劇場のピアノは、カウンセラーに近い性質をもっているような気がしています。
私自身も癒され・励ましてもらっている感覚があるから。
コンクールの直前練習に生徒さんたちと一緒に来て下さる先生から「ここのピアノで練習すると、みんな自信がもてる」と言って頂くことがあります。
それは、響きもありますが、たぶんピアノのカウンセリング効果もあるのではと私はこっそり思っています。
=きな子=
紀々ねぇさんは、そんな風に分析しているそうです。
ピアノが弾けない私ですが、ピアノの世界……面白いですね!
あ、やっぱり伝染してる。
そんな私を見て、紀々ねぇさんからの一言。
=紀々=
まさに、それ!
ピアノが好きな人には、もっと好きになってほしいし、ピアノが辛くなった人には、ピアノの楽しさをもう一度思い出すきっかけになれたらと思っています。
ピアノに興味がなかった人には、まずは興味を持ってもらえたらとそっと願っています。
ピアノは自分には無理だと思っている人には、指一本ですぐに連弾できる曲をつくったので、一緒に弾いてもらいたいと思っています。
電波堂劇場のピアノは、そういう使命をもったピアノ。
そして私は、そんなピアノとみなさんをつなぐのが使命。
そのために、曲を作って楽譜にしたいと思っていると気がつきました。
教えてくれたのは、ピアノです。
=きな子=
紀々ねぇさんが考えた「指一本でだれでもピアニストの気持ちを味わえる連弾」は、講演先でも大好評。
近く、一緒に弾いてもらえるような動画をつくりたいと思っているそうなので、どうぞお楽しみに。
そういえば、沖縄のご当地ソングと言われるようになった「ラララ♪りうぼう」にも、この話は通じている気がします。
子どものみなさんからプロの音楽家の方々まで、とにかく楽しく初対面でも一緒に歌っている光景。
またその日が叶うまで、紀々ねぇさんはピアノと一緒にできることを考えていくそうです。
どんなアイディアが浮かんでいるのでしょうね。
これからも、レポートお届けします!
過去と他人は変えられないけれど、アシタ(明日)とアタシ(私)は変えられる。
あした、転機になぁれ!
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