「ピアノが大好き」と言うと、「弾くのが好き」だと思われるのですが、私の場合は、ちょっとちがうということに……最近、気がつきました。
もちろん、ピアノを弾くのも好きです。
でも、ピアノと一緒にピアノ好きさんを応援することの方が、もっと好き。
ピアノと一緒に歩いてきて35年。
やっと気づきました。
予選通過、そして、新しい舞台に向けて~ピアノ好きさんにエールを送れる幸せ
今年の電波堂劇場は、いつもよりもみんなに会えない淋しい夏でしたが、秋は……いつもよりも快挙の知らせに感激いっぱいです。
「元気にピアノが弾けること、無事に本番を迎えられること」が、こんなに幸せだと思ったことはありませんでした。
だから、元気にピアノが弾けるだけでも「おめでとう」だよね。
そう思って、みなさんをお迎えしお見送りしてきました。
今日は、~~さんが来てくれるよ。
久しぶりだね。
コンクールもうすぐなんだって。
楽しく弾けるといいね。
よろしくね。
ピアノにそう声をかけながら、お迎えの準備をします。
そして、知らせをもらったときには
予選通過したんだって。
賞をもらったんだって。
よかったね、がんばったね。
ありがとう。
ピアノにも報告をして、一緒に喜んでいます。
そしてこのところ、再会のご予約をいくつか頂いています。
「本選に向けても、電波堂劇場で練習したいので」
なんとうれしいことでしょう!
グランドピアノがある会場は、いくつもあります。
でも、こうしてお話を聞かせてもらっていてわかったことがありました。
電波堂劇場のピアノを、友だちだと思ってもらえたんだ。
大好きな『星の王子さま』のバラの話を思い出しました。
見事なバラ園のバラを見た後に、「ぼくのバラ」のところに帰る決意をした王子さま。
楽器のひとつ、ではなく「友だち」として思ってもらえたのだと気づき、感激でした。
また元気で会えるようにしようね!
そんな、ピアノ好きさんを思う時間がとても幸せです。

