電波堂劇場は、沖縄のグランドピアノのあるレトロで広々ピアノスタジオ。
ピアノ好きの紀々ねぇさんが守ってきたピアノの空間です。
ここには30歳のグランドピアノ(YAMAHA G5)がいます。
ある時から、弾きに来て下さった方々から質問をたくさん頂くようになったそうです。
今日は、その質問と紀々ねぇさんのお返事をお伝えします。
それでは、はじまり・はじまり。
Q. 電波堂劇場のピアノは、どうしてこんなに音がいいの? ~よくある質問
=きな子=
調律の頻度や湿度・温度管理といったことが関係するのでしょうか?
=紀々=
私も、それまでは何となくそう思っていました。
ところが。
電波堂劇場が2016年の秋に大きな転機を迎えた後から、ピアノにも変化が起こり始めたのです。
新しいご縁があった調律師さんから「ピアノとの向き合い方」を教えて頂くようになり、私自身も大きく変わったと感じています。
=きな子=
つまり、紀々ねぇさんが変わってピアノが変わったということですか?
あれ?
「過去と他人は変えられないけれど、アシタ(明日)とアタシ(私)は変えられる」
この言葉に、ピアノの音色もあてはまるということ???
なんだか、ピアノの音色は調律師さんにお任せで、あとは演奏技術と演奏方法によるものだと思っていました。
ナゾが深まりますが……
ピアノの音色をつくるのは調律師さんよりも「あなた」!~大切なのは「ふだん」でした
=きな子=
10歳からピアノを習ってきた私ですが、調律師さんとこんなにコミュニケーションをとってピアノと向き合うようになったのは、いつ頃からですか?
=紀々=
ここ3年くらいです。
コンサートなど本番の時は特に、ステージで調律してもらっている時には私は衣装や自分の準備があって、調律師さんとは入れ違い。
なかなかゆっくりお話を聞くことはできませんでした。
「電波堂劇場のピアノのように音色やコンディションを良くしたい」
そう思う方には、ひとつおススメしていることがあります。
「調律師さんにお任せせず、ふだんのピアノとの向き合い方へのアドバイスをもらうこと」
調律師さんがピアノに会うのは、何ヶ月に1度ですよね。
私たちは、毎日会っている。
つまり、調律師さんよりも私たちの方がピアノに「できること」は多く、影響し合っているのです。
「調律の日」よりも「ふだんの日」にもっと意識を向けることが大事なのでした。
ピアノスタジオオーナーとしての紀々の役割
=きな子=
紀々ねぇさんが、ある時からピアノを「競馬の馬」に例えるようになりましたよね。
=紀々=
はい。
電波堂劇場には、プロのピアニストからアマチュアの方々まで、沖縄在住の方から沖縄旅行中の方まで、本当に様々な方がピアノを弾きに来て下さいます。
できるだけピアノがご機嫌な状態でみなさんに楽しいピアノ時間を過ごして頂けるには?
そう考える中で浮かびました。
演奏者=騎手(スター選手)
調律師=獣医
紀々=ふだんの馬のお世話をする人
こんなイメージ。
食事のお世話や毛並みを整えたり、体調のチェックをしたり、環境を整えたり……ふだんのピアノのお世話をする。
そして、もし気になることがあったら調律師さんに相談をして連携する。
演奏者が安心して楽しくピアノを弾けるように、ピアノのご機嫌とハコの環境を整える。
これが私の役割だと思ったらスッキリしました。
「もったいない」の声について
=きな子=
本当は、紀々ねぇさんも演奏者なのに。
なんだかもったいない気もします。
そんな声も多いのでは?
=紀々=
はい。
もったいないと言われることはあります。
でも私は特に「引退宣言」をしたわけではないので、機会があれば演奏もします(笑)。
何より、演奏家としてのキャリアや視点は「ピアノの良い音色づくり」にとてもプラスになっています。
演者さんたちからも「紀々さんが舞台に立つ人の気持ちをわかってくれているから安心できる」と言ってもらうことは多いです。
これは、特に言わなくても伝わっているようです。
だから、もったいないと自分で感じることはありません。
沖縄に来て、電波堂劇場のピアノと紀々ねぇさんに励まされました!と言ってもらえることはとても幸せです。
ピアノは言葉を聞いている!?
=きな子=
あらためて質問なのですが。
ピアノの音色やコンディションを良くするものは何なのでしょうか?
=紀々=
電波堂劇場のピアノと向き合って考えて……最初に気づいたのは「言葉」でした。
ピアノを弾きに来てくれるピアノ好きさんが、
「いい音ですね!」
「いい響きですね!」
「沖縄でピアノを練習できる会場がなくて困っていたので本当に助かりました」
「自信がつきました」
「家族みんなで想い出ができました」
と、喜びやピアノへの褒め言葉をたくさん下さるようになりました。
すると「ピアノがうれしそう」にしているのがわかるようになったのです。
あ、私は決して霊感はありませんが、ピアノが、みなさんからのプラスの言葉を吸い込んでいるように感じるようになりました。
みんなが喜んでくれるたびに、ピアノは機嫌がよくなって、音に反映されている。
そう気がついたのですが、あまりに不思議で自信がありませんでした。
=きな子=
そうですよね。
楽器が言葉を聞いていると言われても、なんだかピンとこない気がします。
=紀々=
ところが。
ピアノ部の弾き合い会などで、いつも電波堂劇場のピアノを弾いてくれているみんなからも……
「ピアノの音が良くなっている!」
「音が大きくなった!」
という声が出るようになりました。
それで「気のせいじゃない」と確信しました。
電波堂劇場のピアノの音色が良くなったのは、弾いて下さったみなさんが喜びとお褒めの言葉をかけてくれたお蔭です。
本当に、ありがとうございます!
調律師さんは占い師!?~ピアノから見えること
=きな子=
それは調律師さんにも聞いてみたのですか?
=紀々=
はい、おそるおそる聞いてみました。
笑われること覚悟で。
=きな子=
どうでした?
=紀々=
「大いにある」そうです!
弾く人の感情を受け止めているとのことでした。
ピアノを見ると、そこにはいない「弾く人」の姿や感情がわかるのだとか。
喜んで弾いてもらっているのか、イヤイヤ弾かれているのか、わかるなんて……ビックリでした。
=きな子=
占い師みたい!
でしょ?
だから私も、ある時から「占い師みたい」と言われるようになったのだと納得できました(笑)。
まずは、ここから!~ピアノにあいさつする
=きな子=
ピアノの音色だけでなく、紀々ねぇさんにも大きな変化があったのですね。
ピアノの音色とコンディションを良くするための「ふだん」の関わり方……はじめの一歩としておススメは何でしょうか?
=紀々=
まずはピアノにあいさつをすること。
これがオススメです。
弾く前に「今日もよろしくね」とあいさつをする。
練習が終わったら「ありがとう!」お御礼を言う。
そして、鍵盤や全体を拭く時にも声をかける。
私は、
「今日は~~さんが弾きに来てくれるからね」
「~~さんは明日、ピアノコンクール本番なんだって」
など、声をかけています。
そして、コンクールや入試の結果を知らせてもらった時には
「~~さんは合格したんだって!」
「~~さんは予選突破できたって!本選も元気で迎えてもらいたいよね」
と報告しながら拭いています。
不思議でしょ?
ちょっと怪しいでしょ?
でも、効果ありです。
ピアノは応えてくれます。
よかったら是非、試してみて下さい。
きっと、電波堂劇場のピアノも沖縄で喜ぶと思います。
=きな子=
やっぱり紀々ねぇさんは「不思議ちゃん」でした。
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